大阪でインプラントなら増田歯科医院(守口本院・京橋院・門真院)
ここ数年でとてもよく話題にのぼるようになった、「インプラント」。義歯をほどこす最新の技術としてとても注目を集めていますが、実は、インプラントのご先祖様ともいえる技術は、想像もつかないほど前の時代に用いられていました。今、治療事例がどんどんと増え、その知名度をぐんとアップさせているインプラントですが、現在の技術に至るまでにはどのような歴史や実績があったのでしょうか。今回は、インプラントが最新技術として知られるようになるまでの過程と、その実績についてご紹介したいと思います。
そもそもインプラントとは、身体の中に埋め込む機器や材料全般のことを指します。ですから、ペースメーカであったり、人工関節もインプラントの1種ということができます。歯科の分野では、あごの骨に人工歯根であるボルトのような機器(=インプラント)を埋め込み、そこに人工歯を固定する治療のことを一般的にインプラントと呼んでいます。
歯科におけるインプラントの歴史は大変古く、ヨーロッパでは上あごに鉄製のインプラントが埋め込まれた紀元3世紀頃の人骨が見つかっており、南米では下あごに貝で作られたインプラントが埋め込まれた紀元7世紀頃の人骨がみつかっています。また、紀元前600年頃のマヤ文明やインカ文明、アステカ文明にも、古代のインプラントの形跡がみられるという調査もあります。紀元前から、義歯をつけるための技術が進んでいたことがわかりますね。なんと日本では、木製の義歯があったことも確認されています。近代になってからは、エメラルドやサファイアといった宝石類や、鉄や金といった金属類、コバルト・クロム合金やアルミニウムなどの素材でもインプラント治療が行われてきましたが、なかなか現代のような完成度のものにはならなかったのです。
現代の歯科インプラント治療で用いられているのは、チタンです。どうしてチタンが用いられるようになったかというと、そこにはある研究者の偉大な発見がありました。
スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が、ウサギにチタン製の生体顕微鏡用の器具を埋めこんで、ウサギの身体の内部を観察する研究をしていた時に、偶然発見された、チタンの特長が大きく関わっています。博士は、研究を終えてウサギから生体顕微鏡を取り出そうとしました。しかし、どうしてかなかなか器具を取り外すことができず、よく見てみると、なんとウサギの骨と器具が結合してくっついていたのです。これは、チタンは骨と結合するという偉大な発見となりました。このチタンの性質を人体に活用すべく、様々な研究や実験が重ねられて、歯科の分野では人工歯根としての役目を果たす大切な素材となることになったのです。
インプラント治療では、あごの骨にチタン製のインプラント(=人工歯根)を埋め込む手術をした後、そこに仮歯をつけて数週間様子を見ます。これは、チタン製の人工歯根があごの骨としっかり結合するための時間を置いているのです。人工歯根とあごの骨が結合すれば、人工歯根は人体の本来の骨と一体化して、強度がとても強いものになります。
これまでの宝石や金属といった素材では、なかなか十分な強度と耐久性が確保できなかったインプラントですが、人体の骨と結合するチタンの発見により、その技術は急速に向上していきました。インプラントをより現実的なものにするための臨床実験結果も、極めて良好な結果をもたらすこととなり、現在のような最新技術として話題にのぼるようになったのです。ちなみに、初めてチタン製のインプラント治療を受けたのは当時30代の男性で、男性が治療を受けてから亡くなるまでの約41年間、インプラントは口内で機能し続けたといいます。
また、チタンという素材は金属アレルギーを起こしにくいというメリットもあります。金属アレルギーでインプラント治療ができなかったという人にも、有害反応を起こすことなくインプラント治療が成功したという事例も多く上がっています。(※稀にアレルギー反応を起こす方もいます。)
インプラントの歴史をたどると、なんと紀元前の時代にまでさかのぼるということがわかりました。人類の歩みとインプラントは、実は深く関係していたのですね。貝や金属、宝石といった様々な素材を用いてつくられてきたインプラントですが、スウェーデンの博士の大発見により、現在のインプラント技術にまで発展してきました。現在では、インプラント製品は世界で100種類以上、日本でも30種類以上が使用されているといわれています。また、年々新製品も開発されており、技術の進化はとどまるところを知りません。インプラントの治療を考えているという方は、ぜひ、インプラントがどのような歴史をたどってきたのかを知ったうえで、最適なインプラント治療を選択していただきたいと思います。