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歯科コラム

永久歯に抜け変わる子供の歯は虫歯になっても害はない?!

子どもの虫歯、そろそろ乳歯から永久歯に生えかわる頃だし、急いで治療しなくても良いかな…。と考えるお母さん、お父さんは多いのではないでしょうか。確かに、生えかわりを迎えた乳歯なら、虫歯になったところで、抜けてしまって新しい歯が生えてくるので、問題ないような気がしますよね。しかし、それは絶対に避けるべき行為なのです。ゆくゆくは生えかわる歯でも、虫歯になって放っておくと、後々大変な問題が起きる可能性があります。

■ 意外と知らない、乳歯のこと

意外と知らない、乳歯のこと

そもそも、なぜ生まれてからしばらくは乳歯が生えてくるのでしょうか。最初から永久歯じゃだめなの?と疑問に思った方もいるのでは。はじめに乳歯が生える理由は、これから成長する赤ちゃんの時期に、大人と同じ本数の歯が生えてしまうと、小さいあごには歯が収まりきらないからなのです。赤ちゃんの頃に生える歯の本数と、大人になって揃う歯の本数は違っているのです。
乳歯は、生えることであごを発達させ、顔の輪郭を整えていくだけでなく、言葉を話す際の発音を安定させるサポート、永久歯がきれいに生え揃うように助けるといった、大変重要な役割を担っています。乳歯は、子どもの成長にはなくてはならないものなのです。

乳歯はとても大切だということは、十分にお分かりいただけたかと思います。では、その乳歯が虫歯になってしまい、生えかわるまで治療をせずに放っておいたら、一体どのような影響があるのでしょうか。

■ 永久歯が虫歯になりやすくなる

虫歯になった乳歯を放っておくと、虫歯菌が乳歯の神経部分にまで浸食してしまいます。歯は、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄」という3層構造をしているのですが、一番内部の歯髄(血管や神経が通っています。)まで、虫歯菌が到達してしまうのです。乳歯のすぐ下には、永久歯がスタンバイしています。乳歯の神経までたどり着いた虫歯菌は、そのまま神経をつたって永久歯にまで悪影響を及ぼすのです。虫歯は、虫歯菌がいなければ起こりません。しかし、乳歯の虫歯菌を引き継いだ永久歯は、生えかわる頃には虫歯菌をもったまま生えてきてしまうのです。虫歯のままの乳歯が抜けて、代わりに生えてきた永久歯は、虫歯菌をすでに持っているので、いつ虫歯になってもおかしくありません。

■ あごが弱くなる

虫歯は、虫歯菌が歯を浸食していく過程で歯を削ったり、歯に穴をあけたりするため痛みが生じます。痛みを感じる部分があると、できるだけその部分に刺激を与えないようにするのが人間です。歯も同じで、痛みのある歯で噛むことをできる限り避けようと、偏った噛み方や噛む回数を減らすなどを無意識のうちに繰り返してしまいます。子どもは全身が成長する時期、あごも例外ではありません。下あごは、噛むことによって発達・成長していきますので、偏った噛み方をしていたり、痛みで噛む回数を控えていたりすると、あごの発達・成長に影響がでてしまうのです。顔の輪郭が曲がってしまったり、噛む力が弱いままだったりといった悪影響が起こることも少なくありません。

■ 歯並びが悪くなる

歯並びが悪くなる

永久歯は、乳歯のすぐ下、真下にスタンバイしています。乳歯から永久歯に生えかわる時は、永久歯が乳歯を押し出すようにして生え、乳歯はその力によって抜けていくのですが、乳歯が虫歯によって欠けていたり、穴があいてしまっていたり、さらにはぬけてしまっていたりすると、永久歯の押し出す力がまっすぐに入らず、押す力が少なく済む方向へと生えていってしまいます。つまりは、真上にある乳歯に向かって真っすぐ生えてくるはずの永久歯が、真っすぐ上に生えずに、傾いて生えてきてしまうということです。少しの傾きなら目立たないこともありますが、場合によっては、本来歯が生えてこないような歯茎の部分から、曲がって生えてしまうこともあります。見た目にも美しくはありませんし、何より歯並びが悪いと、歯を磨いてもきちんと磨くことが難しく、結果虫歯や歯周病といった歯の病気になりやすくなってしまいます。子どもの健康を考えると、歯並びはきれいに越したことはないのです。

■ もしも乳歯が虫歯になってしまったら

子どもが歯の違和感を訴えたら、早急に歯医者さんへ連れて行ってあげてください。虫歯であれば、早めに診てもらうことで初期段階での対策ができるかもしれません。また、覚えておきたいのが、「子どもの虫歯は黒くならない」ということです。乳歯の虫歯の初期段階の特徴として、「歯の表面に白っぽい斑点ができる」「歯と歯茎の溝の部分が黄色っぽくなる」ということが挙げられます。初期段階では痛みを感じないこともあるので、お父さん・お母さんが注意深く見てあげる必要があります。
虫歯になる前に、しっかりと歯を磨いてケアをすることが何より大切ですが、気を付けていても、確実な歯磨きをすることは難しいものです。虫歯のリスクを最小限にするためにも、定期的にお子さんを歯医者さんへ連れていきましょう。何もなくとも、歯科検診を定期的に受けることは大切です。歯磨き方法を指導してもらうこともできますから、日々のケアにも役立ちます。万が一歯のトラブルが起こったとしても、検診をうけていれば早期発見できる可能性も高まるのです。子どもの歯は親が守ってあげなければいけません。将来歯で悩むことがないように、今からきちんと見てあげてくださいね。

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