タバコが歯を黄ばませる!?原因と対策方法
喫煙習慣のある人は「歯がタバコのヤニで黄ばむのは仕方がない。あきらめている」と思っていませんか。最近は、タバコのタール(ヤニ)による歯の黄ばみを落とす、ホワイトニングのツールが進化しています。気軽に購入することができます。もちろん歯科クリニックで歯医者によるホワイトニングを受けることは、さらに効果的です。
それでもまだ「もう年も年だし、歯の黄ばみを落として真っ白にしたら、そのほうが周囲から不自然に思われる」と感じてしまうでしょうか。増田歯科が詳しくご説明します。
ある調査会社によると、歯が黄ばんでいる人の印象は、
●不潔にみえる80%
●好きな人でもさめる73%
●老けてみえる71%
●だらしない63%
●自己管理ができない59%
●一緒にいると恥ずかしい52%
●暗い47%
(複数回答)
と散々です。
これでは私生活どころか仕事にも差し支えます。歯を白くしませんか。
■ タバコと歯の黄ばみの関係
タバコの歯は燃えるときにタール(ヤニ)を発生させます。タールは黒に近い茶色ですので、これが歯の汚れになります。
さらにタールはネバネバした性質を持っています。それが歯の表面に付着すると、あたかも接着剤のように食べかすを吸いつけてしまいます。
タバコだけでなく、醤油やソースやケチャップなどの調味料、さらにコーヒーや赤ワインやコーラや紅茶などの色のついた飲み物も、歯の黄ばみの原因になります。
そのため、喫煙習慣がない人でも歯は黄ばみます。しかし喫煙習慣がある人は、歯の表面に接着剤(タールのこと)をつけているので、調味料や飲み物の色成分を吸いつけてしまうのです。
タバコを吸っている人の歯のほうが、非喫煙者の歯より黄ばみが強いのはそのためです。
さらに歯に付着したタールは、普通の歯磨きでは落ちません。つまり喫煙者の歯の黄ばみはより強く定着してしまうのです。
以上のことをまとめるとこうなります。
●タバコはそれ自体が歯の黄ばみの原因になる
●タバコは食材の着色の威力を増強してしまう
●タバコは歯の黄ばみを定着させてしまう
だからタバコは歯の美しさの大敵といわれるのです。
■ 対策1 市販のホワイトニング歯磨き粉を使う
歯の黄ばみが気になり始めたら、まずはドラッグストアなどで売られている市販のホワイトニング歯磨き粉を試しみてはいかがでしょうか。
お手軽、安価という2つのメリットがあります。
ホワイトニング歯磨き粉には、黄ばみ成分を浮かせる効果があります。
おすすめのホワイトニング歯磨き粉は、研磨剤などの微粒子が配合されていない製品です。歯医者は、歯の黄ばみが悪化すると微粒子を使うことを検討するのですが、その場合、使う頻度や使用量を調整します。
なぜなら研磨剤などの微粒子は歯の表面のエナメル質を削って黄ばみを落とすからです。患者さん自身が研磨剤入りの歯磨き粉を使って適当に磨いてしまうと、歯を傷つけてしまいかねません。歯が傷つくと余計に色がつきやすくなります。
市販のホワイトニング歯磨き粉の使用は、酸性の食べ物や飲み物を飲食した直後は避けてください。それもエナメル質を傷つけることになりかねないからです。
飲食してから30分後以降に歯磨きをしましょう。
■ 対策2 歯の消しゴムを使う
ドラックストアのホワイトニング歯磨き粉の隣に、「歯の消しゴム」という製品があると思います。これもホワイトニングアイテムです。
歯の消しゴムはステック状になっていて、その先端を本物の消しゴムのように色を消したい部分に押し当ててゴシゴシやります。
歯の消しゴムの先端には研磨剤がついていて、汚れを「こそぎ落す」イメージです。ですので効果の高さが売りになっています。
ただそれだけに、エナメル質を傷つけないとも限りません。そのため、日常のケアで使うことは避けたほうがいいかもしれません。写真を撮るときや大切な人と会うときに「応急処置的」に使ってはいかがでしょうか。
以上は、自宅で簡単にできるホワイトニングです。
次から歯科クリニックで歯医者(または歯科衛生士)が行うプロのホワイトニングをみていきましょう。
■ 対策3 過酸化水素を使う
歯科クリニックのホワイトニングでは、過酸化水素を使うことがあります。
過酸化水素によるホワイトニングは「削る」ことがないので、エナメル質を傷つけません。
過酸化水素はジェル状になっていて、歯に塗ります。過酸化水素は光を当てると活性化するので、歯科クリニックでは過酸化水素ジェルを歯に塗った後、光を当てます。
歯科クリニックでホワイトニングに使う光は紫外線をカットして、熱が出ないようにしているので肌にシミができる心配もありません。
また、歯科クリニックのホワイトニングは、色指定ができます。いきなり黄ばみをすっかり落として真っ白い歯にすることも可能なのですが、会社員の場合、それでは周囲に違和感を持たれてしまうでしょう。そこで患者さんが希望すれば、「ほどほどの白さ」にすることもできます。
■ 対策4 事前の「下準備」が効果を生む
歯科クリニックでホワイトニングするメリットは、下準備をしっかりすることです。患者さんの歯に歯石がたまっていれば、まずそれを取り除くことから始めます。歯石の上からホワイトニングをしてしまったら、歯の色にむらができてしまうからです。
もちろん歯石除去は歯の健康維持にもつながります。
■ 対策5 ジェットクリーニングを使う
歯科クリニックでは、過酸化水素でも落ちない頑固な黄ばみは、ジェットクリーニングを使います。ジェットクリーニングから微粒子パウダーを含む水が噴き出し、汚れを「こそぎ落とし」ていきます。
ジェットクリーニングの特長は、歯の裏側の着色もしっかり落とせることです。
ただジェットクリーニングを導入している歯科クリニックは限られているので、事前に電話で確認したりホームページを閲覧してみてください。
■ まとめ~禁煙する前の対策として考えてください
タバコによる歯の黄ばみ対策は、なにより禁煙であることは間違いありません。
ホワイトニングに成功しても、その後にタバコを吸ってしまえばまた黄ばんでしまうからです。これではまさに「イタチごっこ」です。
タバコは歯周病の原因にもなるので、禁煙することで白い歯と健康な歯の両方を手に入れることができます。